シュヴァリエ・モンラッシェ [2011]750ml ドメーヌ・デュ・シャトー・ド・ピュリニ・モンラッシェ モンラッシェのさらにその上に位置するシュヴァリエは、表土が浅く、石灰質の母岩が露出するような土壌。
このグラン・クリュ以上にミネラリーなワインはほかにない。
アカシアの花とその蜂蜜のようなフレーバーがトップノーズに現れ、ミネラルの風味がアタックから余韻まで支配する。
10℃前後で抜栓、2時間くらい置く。
少し緑がかった薄い黄色、ニセアカシア、百合、グレープフルーツ、リンゴ、ビターオレンジ、桃、花梨、ヘーゼルナッツ、バタースカッチ、干無花果、果物の砂糖煮、蜂蜜、クミンシード、オレガノ、タイム、ローズマリー、タラゴン、アニスシード、フェンネルシード、石英系のミネラル、まだ少し早いようだ。
しかし、熟成により香りのトーンが変わり、どっしりと、ねっとりとしてくるだろう。
出てくる香りの要素は他のシュヴァリエ・モンラッシェ、モンラッシェと差は少ない。
が、構成、バランス、濃度が少し違う。
様々な花が鮮やかに香り立ち、甘いフレッシュとドライフルーツのノーズが次々に姿を現すだろう。
キレが良く軽やかでありながら、しっかりとしたボディとコクを持ち、ねっとりとした雰囲気を漂わせるくらい濃度・粘度が高く感じる。
しっかりと凝縮された味わいの中、香ばしいナッツやバタースカッチのニュアンスが感じられる。
更に、複雑でスパイシーさを加える色々なハーブ達、ナッティでスパイシーで素晴らしく美味い。
が、でもまだ早い。
本当に綺麗に熟成してくると、濃さと熟成感が爽やかで、頭の天辺から抜けていくような軽やかでスパイシーな雰囲気になっていく。
そしてミネラルのニュアンスが落ち着き、沈み込むような土系のブケと味わいが静かに、でも力強く広がっていく。
数年待ってあげると、蛹が羽化し蝶になるように色々なものが強さと軽やかさを兼ね備えながら、綺麗に伸びていくようになるだろう。
若いが将来が楽しみなワインだ。
ここのモンラッシェは現在10万円越え、この価格なら買っておいて損はしない。
VINOUS 91-94点 Stephen Tanzer, September 2012 Pale yellow. Aromatic nose offers lemon drop, white flowers and minerals. Ripe, broad, intensely flavored and sweet, but not showing the same energy or mid-palate complexity today as the Folatieries. Finishes with excellent length but seems a bit youthfully disjointed at present.Chateau de PULIGNY-MONTRACHETシャトー・ド・ピュリニ・モンラッシェド・モンティーユの手により再起した ピュリニーの瀟洒なシャトーシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェは17世紀に建てられた城館であり、ナポレオン帝政期には当時ボーヌ市長であったジャン・バティスト・デスドゥアールが所有し、城館を修復。
1950年代からブドウ栽培家であり詩人でもあったロラン・テヴナンによって、シャトーのワインは名声を誇った。
その後、シャブリのドメーヌ・ラロッシュの手に渡り、さらに金融機関の所有となって、2002年にシャトーの支配人として抜擢されたのが、ヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユの長男、エティエンヌ・ド・モンティーユである。
エティエンヌはブドウ畑をビオロジック、そしてビオディナミに転換し、ワインの質を劇的に向上。
傾きかけていたシャトーの名声復活をみごと成し遂げた。
そして2012年にとうとう、ド・モンティーユ家がオーナーの金融機関からこの由緒正しきシャトーを購入することに成功したのである。
シャトーは22ha、21のアペラシオンを所有するが、このうち特級モンラッシェとバタール・モンラッシェはドメーヌ・ドゥジェニーのフランソワ・ピノーに転売。
それ以外の上位レンジにある、特級シュヴァリエ・モンラッシェ、ムルソー1級ペリエール、ポマール・レ・クラ、ポマール1級ペズロールはドメーヌ・ド・モンティーユとして生産する一方、下位アペラシオンはド・モンティーユのネゴスものとしてリリース。
中間帯のアイテムをシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェとして残す予定という。
なお、ド・モンティーユとデュジャックが2006年にドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収したのと同時に、シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェもトマ・モワイヤールがプレモーに所有していたモノポールの畑、ニュイ・サン・ジョルジュ1級クロ・デ・グランド・ヴィーニュ(2.12ha)を取得。
このうち0.5haの区画から造られる白ワインが、2010年ヴィンテージよりリリースされている。