包接化で機能性アップ、老化防止や美容効果も 寺尾啓二 丸田浩 共著 文庫サイズ・48頁 まえがき —— 包接化によるプロポリスの改善 三〇年ほど前までは、ほとんどの日本人にとってプロポリスはなじみのないものでした。
しかし今日では、数多い健康補助食品の中でも人気商品となり、たくさんの人に利用されています。
しかも、それだけにとどまらず、医療現場において、医師が治療行為に用い、実績をあげているケースもみられます。
このように、短期間のうちに広く普及し、いわば健康補助食品の優等生ともいえるようなプロポリスですが、特有のにおいや味、有効成分の不安定性やその他、幾つかの問題点を抱えていることも事実です。
仮に、これらの問題点が解決されれば、より快適に、より効果的に、より安全に利用できるという大きなメリットが生まれます。
こうした状況の中で、現在、製法や形態などが異なる各種の製品が開発され、流通しています。
しかし、問題点の解決に関しては、まだ十分とはいえないのが現状です。
そこで今回、研究・開発を試みたのが、γ—シクロデキストリンによる「包接化」という方法です。
詳細については第2章で述べますが、この方法は、すでにコエンザイムQ10で経験済みであり、そこにも同様に存在する幾つかの問題点を解決し、その機能性をより高めることが確認されています。
現在のところ、プロポリスの複数の問題点を一挙に解決できるのは、この包接化以外にはないと考えられます。
プロポリスは産地や起源植物などが異なると、その成分や効果に違いが生じてきます。
たとえば、ポプラを起源とするプロポリスには、希少難病の神経線維腫症やがんなどに対して有効な成分であるコーヒー酸フェネチルエステル(CAPE)が、多く含まれることがわかっており、包接化により、その効果はより高まるものと思われます。
なお、本書中「プロポリス」の語はプロポリス全般を、「包接プロポリス」はγ—シクロデキストリンで包接化したプロポリスを指しています。
●アルコールが苦手な人でも大丈夫 ここで使用しているプロポリスは、エタノール抽出です。
脂溶性の有効成分の種類や抽出できる量は、水よりもエタノールのほうがはるかにすぐれているといわれます。
エタノール抽出液のアルコール濃度は七〇%であり、ビールと同程度の五%の濃度に希釈してから飲む必要があります。
たとえば、一〇〇ml(コップ半分程度)の水に抽出液七mlを滴下した場合に、そのアルコール濃度は五%ほどになる計算です。
しかし、アルコールが苦手な人には、五%でも飲みづらいかもしれません。
その点、粉末状の包接プロポリスなら、顆粒状製品や錠剤製品として利用できるので大丈夫です。
●ウイルスの産生を抑制 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染力の強い病気です。
風邪と間違いやすい場合もありますが、急な高熱や全身の倦怠感、筋肉痛などの特徴的な症状を伴い、重症化する危険も大きく、とりわけ抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は、速やかな治療が必要となります。
プロポリスには抗ウイルス作用のあることが知られており、インフルエンザウイルスに対する有効性に関しても、次のような実験で検証が行なわれています。
毎年のように流行を繰り返すインフルエンザウイルスの一つに、Aソ連型(H1N1)があります。
ウイルスなどの培養によく使用されるMDCK細胞にこのウイルスを感染させ、その一時間後にプロポリスを添加し、感染の八時間後にウイルス感染価を測定したところ、濃度依存的にウイルスの産生を抑制するということが判明しています。
このほかにも動物実験などにおいて、その有効性が確認されています。
しかし、プロポリスのどの成分が作用しているかについてはまだ未解明であり、今後の研究課題といえます。
目 次 —— 〈コラム〉プロポリスを集めるのはセイヨウミツバチ 第1章 プロポリスはミツバチの生産物 ・巣の保護や補強に用いる 植物由来の樹脂状物質 起源植物の違いで性質が異なる ・古代から利用されていた歴史と研究 海外での利用と研究 日本での利用と研究 ・多様ですぐれた薬理作用 有効成分はフラボノイドなど 効能が注目される桂皮酸誘導体 幅広い薬理作用 抗菌、抗ウイルス作用 抗炎症作用 抗酸化作用 免疫力調整作用 抗腫瘍作用 肝保護作用 尿酸値低下作用 第2章 利点が多いプロポリスの包接化 ・プロポリスが抱える問題点 難水溶性の成分が多い 有害物質や発がん性物質に変化 ・CDはナノサイズの極小カップ 構造は底のないカップ状 包接と徐放という特性 ・γ—CD包接化で問題点を解決 におい・辛み低減、取扱い性向上 吸収率・生体利用率の向上 アルコールが苦手な人でも大丈夫 有効成分の安定化 第3章 美容と健康づくりに包接プロポリス ・神経線維腫症の改善効果 遺伝性の希少難病 従来の治療法では不十分 治療薬はまだ治験中 NZ産プロポリスに着目 ・がんの増殖や転移を抑制する PAKを遮断する 細胞毒性と細胞増殖抑制作用 がんの転移を抑制 ・痛風や高尿酸血症を予防・改善 血漿中の高尿酸が原因 CAPEが尿酸値を下げる ・インフルエンザに有効、エイズに可能性 ウイルスの産生を抑制 エイズなどでも効果がある ・ピロリ菌の除去や虫歯予防に ピロリ菌に対する除菌効果 虫歯予防や歯周病の改善 ・老化防止や美容効果も グルタチオンの産生を増やす 抗酸化作用 美白作用 解毒作用 生体機能調節作用 免疫機能亢進作用 抗老化作用 シワやたるみの改善 第4章 安全性に関するQ&A Q・副作用の心配はないの? Q・一日に必要な摂取量は? Q・摂取してはいけない人は? Q・γ—CDの安全性は? 【ハート出版ふるさと文庫】ガンの増殖・転移を防ぐ包接プロポリス
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